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【おおいた芸術文化の旅 OITA Art&Culture】“建築ツーリズム”で巨匠の作品に出会いアートな空間を楽しむ

“建築ツーリズム”で巨匠の作品に出会い
アートな空間を楽しむ

“建築ツーリズム”で巨匠の作品に出会い アートな空間を楽しむ

“建築ツーリズム”で巨匠の作品に出会い アートな空間を楽しむ

“建築ツーリズム”で巨匠の作品に出会い アートな空間を楽しむ

“建築ツーリズム”で巨匠の作品に出会い アートな空間を楽しむ

“建築ツーリズム”で巨匠の作品に出会い アートな空間を楽しむ

“建築ツーリズム”で巨匠の作品に出会い アートな空間を楽しむ

“建築ツーリズム”で巨匠の作品に出会い アートな空間を楽しむ

“建築ツーリズム”で巨匠の作品に出会い アートな空間を楽しむ

“建築ツーリズム”で巨匠の作品に出会い アートな空間を楽しむ

“建築ツーリズム”で巨匠の作品に出会い アートな空間を楽しむ

大分県はまさに“建築ミュージアム”。
「日本近代建築の父」と呼ばれる巨匠・辰野金吾から、同県出身の世界的な建築家・磯崎新をはじめ、日本が世界に誇る建築家が造った建造物が各地に点在しています。
街のシンボルとして多くの人に愛され続け、国内外の観光客が足を運ぶ、建築作品の魅力とは……。
光と影、風、音が織りなすアートな空間を体感してみましょう。

インタビュー

自らが手がけた「大分県立美術館(OPAM)」でインタビューに答えてくれた坂 茂さん 自らが手がけた「大分県立美術館(OPAM)」でインタビューに答えてくれた坂 茂さん

坂 茂(ばん・しげる)氏 プロフィール

坂 茂(ばん・しげる)氏

建築家/1957年東京生まれ。1982-83年磯崎新アトリエ勤務。1984年クーパー・ユニオン建築学部(ニューヨーク)を卒業。1985年に坂茂建築設計を設立。1995年、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)コンサルタント(99年まで)、同時にNGOボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN、現在NPO)を設立する。主な作品にフランス国立近代美術館分館「ポンピドー・センター・メス」(フランス・メス市)、「静岡県富士山世界遺産センター」(静岡県)、「スウォッチ・オメガ」(スイス・ビール/ビエンヌ)がある。プリツカー建築賞、フランス芸術文化勲章コマンドゥール、マザー・テレサ社会正義賞、紫綬褒章受賞。現在、慶應義塾大学環境情報学部教授。

大分県はまるで有名建築家のミュージアム!
街の人に末永く愛される建物とは

東京駅で有名な辰野金吾さんに、国内外の美術館・博物館などを手がけた黒川紀章さん……大分県は県まるごと“建築ミュージアム”と言っても過言ではないほど、日本が誇る建築家の建物が数多く存在します。
なかでも、大分県出身の建築家・磯崎新さんの作品は突出して多く、今も街の人々に愛されています。
その磯崎さんの作品に魅せられて学生時代に大分県を訪れ、後にここで大分県立美術館をはじめ数々の建造物を手がけたのが、世界的に活躍する建築家の坂 茂(ばん・しげる)さん。坂さんに、建築の持つ力について伺いました。

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大分県は坂さんが手がけた建築物が日本で最も多くある県だそうですね。最初に大分に来た時にどういう印象を受けられましたか

実は、学生時代は磯崎さんの建築だけを見学していて、街の様子を覚えていないんです。ただ、大分県出身ということでこれだけのチャンスをもらい、 街に建物が残っている。良い建築が残るのは街の宝だと思います。

坂さんは「建築で街の問題・課題を解決したい」とおっしゃっていますよね。大分県立美術館、愛称「OPAM(オーパム)」のプロジェクトの前に来られた時、どのような課題が見えましたか

建設予定地は重要な大通りで、こういう大通りには「ストリートファブリック」があると考えていて、「OPAM」の外観は街の顔になるようにファブリック――帯状に周囲の建物とファサードを繋げていくべきだと感じました。特殊な形を造るのではなく、街に溶け込むようにしたい、開かれた場にしたいと思いました。

街の“顔”にふさわしい、大分県産の木材を使った外観が印象的な「OPAM」 街の“顔”にふさわしい、大分県産の木材を使った外観が印象的な「OPAM」

開かれた場、とは……

美術館はブラックボックスやホワイトキューブと呼んだりするんですけれど、中に入るまで、中がどうなっているか分からないですよね。敷居が高いと感じてしまうところもある。だから縁側のように開けていて、どこからでも人が入れるような場所にしたいと思ったんです。

「美術館が開かれていない」と思ったきっかけは何だったのでしょうか

いろんな地方都市に行って劇場や美術館などを見つけ、タクシーの運転手さんに「あれは誰がつくったんですか」と聞くと、建設会社の名称が返ってきます。誰が設計したかなんて全く興味がないんです。さらに「あの音楽ホールや美術館に行きましたか」と尋ねると、お客は連れて行っても、自身は行ったことがない。日本の公共建築にもっと一般市民に来てもらいたい、と考え、それをなんとか解決するべく造ったのがこの「OPAM」でした。

「OPAM」1階の水平折戸を開くと、外と中がゆるく繋がる空間に 「OPAM」1階の水平折戸を開くと、外と中がゆるく繋がる空間に

だからこのような水平折戸があるんですね。では、由布院駅隣の「由布市ツーリストインフォメーションセンター」、愛称「YUFUiNFO(ゆふいんふぉ)」はどのような問題を解決したのでしょうか

今は磯崎さんが駅舎を手がけた当時以上に、国内外から多くの観光客が訪れているから、待合室、インフォメーションなどがあの駅だけでは収容し切れていませんでした。みんなが乗車までの時間を過ごせて観光の情報を探せる場所にしたい、というのがコンセプトです。

建物にはどういった特徴がありますか

磯崎さんの駅舎はクロスヴォールト構造といって、教会建築でよく見られる、かまぼこのような半円状の筒を交差させる構造を使っています。僕の手がけた「YUFUiNFO」も、建材は違いますが同じクロスヴォールト構造の連続でできているんですよ。街や利用者に向けて開かれた建物であると同時に、隣にある建物からのバランスとコントラストを意識しています。

この建物も、街に開かれているんですね。確かに、全面ガラスで開放的です

建物の中からホームに停まる電車が見えるように、また、電車から降りなくてもこの建物が見えるようにしたかったのです。さらに2階からは由布市の象徴、由布岳が一望できます。あの場所でしかできないことをしたいと考えた設計です。

開放的な雰囲気の「由布市ツーリストインフォメーションセンター(YUFUiNFO)」 開放的な雰囲気の「由布市ツーリストインフォメーションセンター(YUFUiNFO)」

クアパーク長湯は……

ここはメインの温浴施設に歩き湯が必要でした。川沿いの立地でとても景色の良い場所だったので、四季折々の景観を楽しみながら歩いて健康増進できるようにと半屋外の歩き湯をつくったんです。行く度に景色が違うので飽きませんよ。ちなみに水着は「着ても体形が気にならず、お湯に入っても体に貼り付かないように」と、僕が知人のデザイナーに頼んでつくってもらったんです。

温浴施設の開口部もものすごく大きくて印象的です。これも街や街の人たちに開かれているイメージですか

入口部分はオープニングの時の式典にも使ったのですが、ここに街の人たちが集まっていろんなイベントを開けるように、と思ってあの広々とした入口ができました。

街の人が集えるようにと造られたクアパーク長湯 街の人が集えるようにと造られたクアパーク長湯

宿泊コテージの工夫について教えてください

なるべく長期滞在してほしいし家族で来てほしいので、子どもがハシゴをのぼって上で寝られるように中二階を造ったんです。また、露天風呂感覚が味わえるように、浴室の扉2面を開けると半屋外になるように設計しました。ベッドやテーブルが折りたたみ式なのは空間を有効に使えるようにと考えてのことです。

室内のベッドやテーブルに、坂さんと言えばの紙管が使われていました。「OPAM」や「YUFUiNFO」にも紙管のインテリアがありましたが、ご自身でインテリアまで手がけられるんですか

ええ。建築は中と外が連続しているものなので、やはりインテリアもつくってこそ建築が完成すると思っているんです。「OPAM」は紙管の椅子やテーブルだけではありません。国東市名産の畳の材料、七島藺(しちとうい)を使ったベンチもオリジナルなんですよ。

大分の素材を活用しているんですね

はい。外観や床には県産の杉材や佐伯市の石などを用いていて、なるべく地元のものを使いたいといつも考えています。

では、坂さんが心地良いと感じる建築とは

やはり自分が造った建築ですよ(笑)。他の人の建築は、いろんなところが気になってしまうんです。

では心地良い建築には何が必要だとお考えですか

光と風だと思っています。光があって影ができて、1日のなかで動いていく。それから風が通ること、中と外の連続。たとえばヨーロッパに行くと、冬でもカフェの外のテント下で、ゆっくりと過ごしている人を多く見かけます。あのテント下が外と中の中間領域。日本で言う縁側ですね。外と中の中間の場所は、人種関係なく人にとって居心地が良いのだと思います。「OPAM」の大開口部がひらくと、もう縁側になっていますよね。

確かに。そして多くの人が階段に座ってゆっくりと過ごしていますね

外が見えて、外から中も見え、光が入って風が通る。窓の開かないホテルって息苦しいものでしょう。季節の良い時は空調に頼らないほうが居心地が良い。だから光と風が重要なのです。人が自然と集まる空間とは、ハコではなく、空間の質だと思いますよ。

もう一つ、人に長く愛される建築に欠かせないのは

やはり、開放性とフレキシビリティでしょう。「OPAM」は季節の良い時は開口部が開くし、寒いときは閉じている。人が洋服を脱いだり着たりするように、 季節毎に変化する建築を造りたい。建築も変化するものであるべきだと思っています。

最後に、大分県にはいろいろな建築家の建物があるので、建物をめぐる旅をするときの楽しみ方を教えてください

設計した趣旨や工夫されているところを知ると、より面白いと思いますよ。建築をめぐることは何も特別なことではありません。ヨーロッパではみなさん建築を見てまわりますよね。京都でも同じこと。建築を見てまわるのは普通のことだし、もっとたくさんの人が自分の街や旅行先で訪れてみるべきだと思っています。

坂 茂氏プロフィール

坂 茂氏 プロフィール

ばん しげる 建築家/1957年東京生まれ。1982-83年磯崎新アトリエ勤務。1984年クーパー・ユニオン建築学部(ニューヨーク)を卒業。1985年に坂茂建築設計を設立。1995年、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)コンサルタント(99年まで)、同時にNGOボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN、現在NPO)を設立する。主な作品にフランス国立近代美術館分館「ポンピドー・センター・メス」(フランス・メス市)、「静岡県富士山世界遺産センター」(静岡県)、「スウォッチ・オメガ」(スイス・ビール/ビエンヌ)がある。プリツカー建築賞、フランス芸術文化勲章コマンドゥール、マザー・テレサ社会正義賞、紫綬褒章受賞。現在、慶應義塾大学環境情報学部教授。

アクセス

飛行機で

  • 羽田空港 飛行機 
    1時間25分
  • 中部国際空港 飛行機 
    1時間15分
  • 伊丹空港 飛行機 
    55分

大分空港

新幹線と電車で

  • 新大阪駅 新幹線 1時間20分
  • 博多駅 新幹線 20分

小倉駅 JR(特急)1時間20分

大分駅

アクセス

アクセス

湯布院へ

  • 大分空港
    高速バス
    55分
  • 福岡空港
    高速バス
    1時間40分
  • 福岡
    高速バス
    2時間20分

湯布院

  • 大分駅
    JR
    50分
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    JR(特急)
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由布院駅

臼杵へ

  • 大分駅
    JR
    約30分
  • 大分空港
    リムジンバス
    約80分

大分空港

佐伯へ

  • 大分駅
    JR
    約60分
  • 大分空港
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  • 大分空港
    リムジンバス
    約80分
    臼杵駅
    JR
    約30分

佐伯

豊後大野へ

  • 大分空港
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    約60分
    大分駅
    JR
    約30分
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    JR(特急)
    約2時間

三重駅

竹田へ

  • 大分空港
    空港特急バス
    約60分
    大分駅
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    約60分
  • 熊本空港
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    100分

竹田